2008/11/19

超大型粒子加速器「LHC」、修理費用は20億円超

超大型粒子加速器「LHC」、修理費用は20億円超

ジュネーブ(AP) 欧州合同原子核研究機関(CERN)は17日、今年9月の本格稼働開始直後に故障した超大型粒子加速器「LHC」の修理費が、少なくとも2500万スイス・フラン(約20億2000万円)に達すると発表した。修理完了時期は、来年の5月から6月上旬としている。

「LHC」は、大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider)頭文字を取った呼称で、スイス・ジュネーブ郊外の地下約100メートルに掘られた、1周27キロのトンネルを利用した実験装置。超伝導電磁石1700台を設置し、陽子を光速の99.99%まで加速して衝突させ、宇宙誕生とされる大爆発「ビッグバン」直後の超高温・超高圧状態を人工的に再現しようとしている。

9月10日に始動を始めたが、稼働開始後10日たった同19日、冷却用の変圧器が不調になったとして、実験を一時停止。装置全体が絶対零度(マイナス273.15℃)付近まで冷却されていたため、人が立ち入れる程度に温度を上げるために数週間かかった。

現在、装置の温度が上がり、故障場所を物理的に確認することが可能となった。修理後、実験再開に向けて再び装置を冷却する必要があるが、装置が消費する電力が莫大なため、欧州全体で消費電力量が増大する冬季期間は装置を停止せざるを得ないという。このため、本格始動は来春以降となる。

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